第319回 エフエム山形番組審議会議事概要
第319回エフエム山形番組審議会が3月18日木曜日、山形市のエフエム山形本社会議室で開かれ、1月30日(土)午前11時から11時55分まで放送した自社制作特別番組「新春伝承芸能フェスティバル~継承する若者たちと地域社会」を試聴・合評した。同番組では、民俗学を研究している東北文教大学短期大学部特任教授菊地和博氏をゲストに迎え、氏がコーディネートし1月17日(日)天童市のショッピングモールを会場に行われたイベント「新春伝承芸能フェスティバル~継承する若者たちと地域社会」に出演した県内3団体の演舞を振り返りながら、少子高齢化の影響により継承が危ぶまれる県内各地の伝承芸能の伝える事の大切さ、難しさを考察した。ナビゲーターは、FM山形アナウンサー岩崎敬。
審議の内容は次の通り。
・ゲストの落ち着いたトーン、ナビゲーターのテンポ良く的確な番組運びに好感が持てた。
各団体の演舞の模様や衣装・楽器の説明もあり、映像の無いラジオでもイメージしやすかったのではないか。伝承芸能の演舞や演奏は、年齢に関係無く響いてくるものだと思う。ラジオを通して、魅力を伝える事は大切だ。
・ただ単にイベントの模様を伝えるのでは無く、民俗学にまできちんと踏み込んで制作されていた為、伝承芸能が余興としてだけではなく、言霊信仰や神仏への畏敬の念に端を発するものであると理解を深める事ができた。また、番組冒頭で伝承の難しさという問題提起があり、最後にはサブタイトルでもある「継承する若者たちと地域社会」への一定の結論を導くなど、起承転結のある構成はよかった。
・ゲストの興味深い話の最中もお囃子等がBGMとして使用されていて、聞きづらい箇所があった。BGM無しでもよかったのではないか。また出演者へのインタビューでは「伝えられる側」である若者が中心であったが「伝える側」の言葉もあって良いのではないか。
・番組を制作する上で「何を伝えるのか」が明確である事は重要。ラジオ局の役割として同様の「伝える事の重要性」を考える番組制作を今後も継続してほしい。
<出席>
平清水公宣委員長、逸見良昭副委員長、鮭延三枝子委員、山口由美委員、向田竜也委員、
酒井忠順委員