RAMP.放送後記(5月15日放送 フォーカスランプ)

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RAMP.放送後記(5月15日放送 フォーカスランプ)

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Radio and Music Playlist

毎週金曜 16:00-18:55

松浦彩|シャドウ國本

   

 

5月15日放送 フォーカスランプ:「トップガン」とトム様愛を語る回

 

かつて私の地元・山形県鶴岡市には二階建ての映画館がありました。

階段を登った先に受付があり、いくつかのシアターがあったと思います。ドラえもん、ゴジラ、クレヨンしんちゃん…映画好きの祖父に手を引かれ、よく通いました。だいたい映画ドラえもんシリーズは私の誕生日近辺の公開だったこともあり、プレゼントを受け取る時のようなわくわく感がいつもありました。

 

映画はちょっと特別な娯楽。そんな思い出があるからか、ラジオで映画やドラマ、アニメ、小説、漫画など作品の話をするときはいつも少し緊張してしまいます。

自分にとっては作品の感想でも、誰かにとってはネタバレになってしまうかもしれない。ネタバレと感想の線引きが難しくて、概念のような感想しかいえない自分がもどかしい。リスナーさんはどう思うだろう、と気になってインスタライブをしてみたところ、放送後記という案をいただきました。持つべきものはリスナーさん。ということで、つらつらと綴ってみます。

 

世界で一番好きな俳優はトムクルーズさんです。

きっかけは母方の祖父のDVDコレクションを眺めていたとき、たまたま手にとった『バニラスカイ』。あまりのかっこよさに祖父に貸してほしいと伝えた際に「トムクルーズならこれも観た方がいい」と勧めてくれたのがトップガンでした。それが中学生の頃。

その後、母にお願いしてはじめて劇場で観たトムさんの作品は『コラテラル』。

殺し屋のお話なので画面がまあまあ血に染まっていて(今はへっちゃらですが)当時は震え上がりながら客席の手すりを握りしめて観ていました。

 

高校3年生ではじめて猫を拾って以降は猫に恵まれた人生を送ってきたので、お小遣いもバイト代もほぼ猫の医療費に注ぎ込み、映画は友人とのお出かけの際に観るたまのご褒美。それでも映画好きの祖父とレンタルショップに行った際にトムさんの作品を借りてもらったり、金曜ロードショーがトムさん作品の時は祖父や母が録画予約してくれたりと、家族のサポートのもとゆるふわファンを続けていました。

ラジオパーソナリティになってからは、何もない私がラジオで話すための話題探しとありがたいことに日々舞い込むお仕事に打ち込んできました。

 

2022年.『トップガン マーヴェリック』が公開されました。

祖父がお勧めしてくれた、自分が生まれる前の映画。擦り切れるほど観たトップガンの続編が公開されるなんて驚き桃の木山椒の木でした。

ところが私は根っからのネガティブで、時を経た初恋の人(マーヴ)とスクリーンで再会するのがなんだか怖くて、劇場に行けたのは公開から1ヶ月以上経った頃でした。本編が始まってすぐに無用の心配だったと思い知りました。なんでもっと早く観なかったの。あのトムさんだぞ!ずっとかっこいいに決まってるでしょ!

 

そこにいたのは紛れもなくマーヴェリック。グースとの別れを経て失うことに常に恐怖心を抱きながらも、きっともう失わないために努力し続けた、やっぱり型破りで天才的で、笑顔がずるいマーヴでした。

 

冒頭の「ここはどこ?」「地球」のくだりをはじめ、二作目は一作目よりもコミカルな要素も多く、久しぶりの再会に対しての緊張をほぐしてくれました。

 

そして劇場を出た時、ゆるふわファンは気づいたのです。トムさんがあと50年早く生まれて、私があと50年遅く生まれていたら、劇場で最新作を観ることは叶わなかったかもしれない。同じ時代を生きていることも、劇場で最新作を観ることができる今も奇跡なのだと。

トムクルーズは映画を愛し映画に生きる俳優なのだから、映画館で観なくちゃ!自分が見知った魅力は、大切に胸にしまうだけじゃなくて伝えなくちゃ!

それからはなるべく劇場でトムさんの作品を鑑賞して、ラジオでも「大好きです。ここが素敵です。」とトムさんの話題を口にできるようになりました。

 

そして、2026年。ふとInstagramを開いた時、山椒の木を超える衝撃的な投稿が私の目に飛び込んできました。

 

Two films. One big screen.Back in theaters,May 13th,for one week only.

投稿主のアカウント名はtomcruise(もちろんフォローしています)

写真はトップガン。

 

トップガンがスクリーンに戻ってくる…?!!

おのれの英語力を疑い、翻訳機能を使ってみたけれど合っている。でもアメリカ限定じゃ…と検索したら、日本各地でも上映!!山形もある!!!!夢でもみているのかと思いました。

スクリーンでトップガンが観られるらしい。生きていたらこんな奇跡が起こるんだ。じいじも連れていってあげたかったな…そんなことを思いながらネット予約して、そわそわして、映画館に着いて、そわそわして、来場者特典の限定ポストカードを受け取ってもなんだか夢のようでした。

 

令和の技術で40年ぶりにスクリーンに帰ってきたトップガンはとても鮮やかでした。

かつて祖父を感動させ、VHS時代を経てDVDでも手元におきたくなるくらいの魅力を持つ名作。世界で一番大好きな映画俳優をスターダムに押し上げた代表作。お家の一角に収まる小さな画面で観るのとは迫力も段違いでした。

どうしても一作目と二作目を続けて観たくて2日連続で映画館に通いました。祖父に手を引かれながらわくわくして映画館を訪れていたあの頃を、少し思い出しました。

 

まるで結びのような文章ですが、恐ろしいことに実はまだ折り返し地点です。

ここからが、ネタバレになってしまう可能性を恐れてラジオではお話しできなかった感想です。

 

一匹狼を意味するコードネーム・マーヴェリックことピートはアメリカ海軍に所属する破天荒で型破りな天才パイロット。相棒グースの静止も聞かず、頭に血がのぼると死をも恐れぬ暴れん坊になることも度々。

グースとともにエリートパイロット養成施設「トップガン」への切符を手にすることとなり自信満々のマーヴでしたが、そこで冷静沈着な天才パイロット・アイスマンと出会います。クラス内のトップ争いをしていても絶対にマーヴの足を引っ張るようなことはせず、きっと誰よりもマーヴの才能を認めている好敵手。第二作でも、横並びのクラスメイトでなくなって以降もマーヴの味方で居続けたことが描かれています。

 

グースは第一作で不慮の事故で亡くなります。マーヴは自分を責め飛び方が分からなくなってしまいます。海軍も、グースの妻も、周囲の誰もマーヴを責めることはありませんでしたが、それゆえの苦しさもあったと思います。失意のどん底を漂っていたマーヴでしたが、空は彼を離しませんでした。最後の握手は泣きました…!

 

好きなシーンはたくさんありますが、第一作のグースとお互いのパートナーと幼いルースターをピアノの上に乗せて歌ったあの歌のシーンはとても穏やかで幸せな瞬間なので好きです。

第二作でグースの息子であるルースターが酒場で、ピアノを弾きながらあの曲を仲間と歌った時は涙が出てきました。作中で海軍パイロットを志願するグースの息子を案じたグースの妻の「息子をパイロットにしたくない」という願いを聞き、マーヴがルースターの願書を抜いたことが語られていますが、マーヴはルースターに責められても「母ではなく俺を恨めばいい」と決して理由を明かしません。かっこいい。

そんな因縁のあるマーヴと父の思い出の曲。楽しかったあの時の象徴。それを酒場で楽しそうに歌うルースターの姿に、マーヴの行動を責めても、父のことで彼を恨んではいないのだと感じて私も泣きました。お店の外に追いやられたマーヴが窓越しに聞こえてきた歌にハッとしてルースターを見つめるあの姿がなんとも切ない…

作中でマーヴはルースターをどう扱うべきか思い悩んでいたのですが、なんだかその姿は父親のようにも見えました。

 

マーヴはアイスマンの計らいでトップガンに教官として再びカムバックしますが、集められた若手エリートたちが担う任務は、すなわち片道切符のようなもので、その候補者にはルースターの名前もありました。

誰一人欠けることなく生きて戻らせる。そのためにマーヴはマニュアルを捨て、極限に挑むプランを提案し、訓練を開始します。

生徒の中にルースターをライバル視するハングマンというパイロットが登場するのですが、なんだかかつてのマーヴをみているような、むしろそれ以上のかき回し役。でも憎めない。笑顔がずるい。すごく良かったのでハングマンを演じているグレン・パウエルさんの出演する『恋するプリテンダー』も観ました。

 

話を戻します。刻々と任務遂行の日が近づく中、盟友アイスマンの死によってマーヴは理不尽な扱いを受けるのですが、恋人の励ましも受け、自分にしかできない方法で意思を示します。その後いろいろあって(ぜひ本編をご覧ください)マーヴはF14との再会を果たします。胸熱!おかえりトムキャット!!

 

F14は冷戦期を代表する戦闘機で、1970年代から2006年までアメリカ海軍の主力として活躍した艦上戦闘機です。ですが2006年の引退後、国家安全保障上の理由からF14は徹底的に破壊対象とされ、アメリカ国内では飛べる機体は1機も残っていないといいます。

しかし今年、F14を保存し、記念行事などでの飛行を目指す「マーヴェリック法」がアメリカ議会上院で可決!それも全会一致で!二度と空を飛ぶことはないとされてきたF14ですが、アメリカ海軍が保有する最後の3機をアラバマ州の「U.S. Space & Rocket Center」へ移管。展示や教育目的で保存されるそうです。しかも移管される機体のうち少なくとも1機を、飛行可能状態へ復元する可能性と、それに必要な余剰部品の提供を認めるとか。(戦闘機としての装備は除くようです)

巷ではトップガンシリーズがこの法案の追い風となったのではと言われていますが、冷戦期を象徴する戦闘機へのアメリカの対応を180°変える歴史的な転換点となるのではという声が上がっています。

F14の運命を変え、法律にまで影響を与えた点からもトップガンがいかに人類が誇るべき名作であるかが窺い知れます。

 

つらつらと書き連ねましたが、第二作も感涙のラストが待っています。

トップガンシリーズからしか得られない高揚感とトップガンだからこそのトムさんのかっこよさが大好きです。そしてきっと想像を超える感動を与えてくれるであろう第三作を楽しみに、まずは健康でいようと思います。

 

※フォーカスランプは、RAMP内のミニコーナー

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