新年度第1回の放送は、新メンバー3人と昨年度から引き続き参加の湯澤真で放送しました。
新メンバーは、東北文教大学人間科学部2年の丹海悠、短期大学部総合文化学科2年の菅井梨帆、土田有紗の3人です。
このメンバーで最初に取材したのは、上山市の「とんと昔上山会」。
今回は、木村敏子さんに「うそつき息子」を、そして伊藤妙子さんに「3本のけやき」を語っていただきました。
どちらも面白い笑い話です。
「うそつき息子」
昔、あるところに、うそつきの息子に手を焼いて困っている父親がいました。あまりにも息子がうそをつくので、怒った父親が息子を俵の中に入れて縄を巻きつけて捨てに行こうとします。息子をかついで村はずれに来ると酒屋からお酒のいい香りがしてきます。父親はついお酒を飲みたくなり、息子をそばにあった柿の木の上につるして酒屋に入ってしまいます。すると、息子のところに杖をついたおじいさんがやってきます。息子は、木の上からそのおじいさんに向かって「若くな~れ、若くなーれ」と言います。それを聞いたおじいさんは「何をしているのか」と聞きます。息子は「自分はここでこのことばを唱えていたらこんなに若くなったのだ」と言います。おじいさんは、「それでは私と代わってくれ」と言い、息子を木から降ろしてしまいます。こうして息子は、まんまと逃げてしまいます。こんな具合で息子はうそをついてばかりで、父親はとうとう最後にはあきらめてしまった、というお話です。
ほら話ですが、息子に手を焼いている父親と息子のやり取りがとても面白いお話でしたよ。
「3本のけやき」
上山の高松というところにヨシゾウという耳が遠いおじいさんが住んでいました。ヨシゾウは働き者で、若い頃、貧乏で苦労をしたので、よく働いて、裏に山を買うことができるまでになりました。でも、ちょっとケチなところがある人でした。ヨシゾウには息子のヨシキチがいましたが、年をとってもヨシゾウは、なかなか家の財産管理を息子にまかせませんでした。ところが、いよいよヨシゾウは70歳も超えるとますます耳が遠くなってしまい、これではダメだと思い、家の財産管理を借金ごと息子にゆずります。息子のヨシキチは、やっと家の財産管理をゆずられたので、まずは、借金を返そうと裏の山のけやきの大木を3本切って売り、借金を返しました。すると、ある日、ヨシゾウが裏山を見回りに行って、かんかんになって怒って「何の木を切ったのだ」と言いますが、ヨシキチの答える声がよく聞こえません。そこで、ヨシキチは自分の股の毛を3本抜いて囲炉裏の火で焼きます。それを見てヨシゾウは、「ああ、けやきを3本か」とわかったのでした。こんな調子でヨシキチはヨシゾウに滑稽なしぐさを使って言葉を伝えたのでした。
これも笑い話、それもちょっと子供には聞かせにくい大人の笑い話でしたね。
この他にも、今回は、番組の先輩メンバーである湯澤真くんが新メンバーの素朴な質問に答える「先輩・湯澤さんの民話豆知識」のコーナーもありました。新しい企画ですがこれからもよろしくお願いします。
次回も楽しい民話を紹介していきます。どうぞお楽しみに♪
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