今月も東北文教大学の学生、仲良し3人組でお送りしました。
今回は、鶴岡市にお住まいの三浦牧さんに民話を語っていただきました。
三浦さんは、子どもの頃におばあさんから聞いた庄内の民話お語り伝えている方でとってもお元気な語り手さんなんです。
【キツネとお釈迦様】
むかし、ある山寺に和尚様と小僧がいました。そしてこの山寺の台所に食べ物を物色するキツネがいました。
ある日、和尚様は大事な法事のために寺を一晩留守にすることになり、出かけに「キツネにくれぐれもいたずらされないように気をつけなさい」と小僧に言って、出かけていきました。寺の留守番をすることになった小僧は、夜になって早めに戸締りをしていると何か物音がするのに気づきます。音がするほうに行くと、なんとキツネが縁側に干してあったボタモチをとっていこうとしていました。小僧に見つかったキツネは、本堂の中に逃げてお釈迦様に化けてしまいます。本物のお釈迦様とキツネが化けたお釈迦様が並んでいるのを見て、小僧は本物を見分けるためにあることをするのですが・・・。
【まだまだわからん そばねっとの話】
むかし、ある村におじいさんと孫が住んでいました。
畑にそばの種をまいて、実るのを楽しみにしていたのですが、雨があまり降らなかったので心配していました。しかし、やっとそばの芽が出てきたので、孫は、喜んでおじいさんに「これで大丈夫だ」というと、おじいさんは、「いやいや、まだわからない」といいます。しばらくするとそばの花が咲きます。孫は、おじいさんに「これで大丈夫だ」といいますが、おじいさんは、「いやいや、まだわからない」といいます。やがて、そばの実がたくさんなって、孫は、またおじいさんに同じことをいうのですが・・・。
「キツネとお釈迦様」は、キツネが小僧に騙される姿についクスッと笑ってしまうお話しです。
でも最後に和尚様の「生きとし生けるものの命は大事にしなさい」という教えがあり、笑い話でも最後には大切なことを教えてくれる、民話の良さを感じることができます。
「まだまだわからん そばねっとの話」。そばねっととは“そばがき”のことなんだそうです。
このお話を聴くと、ほんと世の中は最後の最後までどうなるかわからないというのを実感します。
大人が聴いても、物事の大切さを学ぶことができる「民話」。来月も三浦牧さんの語りをご紹介します。
来月も是非お聴きください。
とーびんと♪
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