1月9日の放送は、天童の民話をご紹介しました。

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1月9日の放送は、天童の民話をご紹介しました。

みんなdeみんわ

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あけましておめでとうございます。

2020年になってから、すでに1週間以上が過ぎてしまいましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 

「みんなdeみんわ」のメンバーは、3月に卒業するメンバーもいるので、この3人で放送するのは、残り2回となりました。最後まで、頑張りますので、どうぞよろしくお付き合いください。

 

 

 

さて今月は、天童市の「天童とんと昔の会」の鴨田みさをさんの語りをお送りしました。

 

 

 

【狐にばかされた喜八どん】

 

今の天童市にある押し切り川には、昔、12月になるとサケが上ってきたそうです。

そして、そのサケを捕る人を「川衆」と言っていました。

その川衆は、順番で三人一組になってサケを捕る決まりがありました。

何故なら、その頃の町の周辺には悪い狐が出て、人をだましてサケを捕ってしまうからでした。

 

あるとき、喜八という2mほどの大男が川衆の順番になりました。

喜八は三人で行く決まりなのに、他の二人を待っていられず、一人で川に行き、サケを沢山捕るのですが、まんまと狐にだまされてしまいます。

 

喜八がサケを盗む狐だと思い、ヤス(漁の時に使うモリのような道具)で狐をたたいて追い払おうとしますが、実はたたいていたのは、柳の古株。

後からやってきた二人に声をかけられて、はっと我に戻る喜八でした。

 

狐が人をだますというお馴染みのお話しでした。

昔はそれだけ狐が身の回りにいる動物だったのでしょうね。

 

 

 

【お藤地蔵】

 

今から250年くらい前のことです。

お藤という18歳の美しい娘がいました。母親を幼い頃になくし、父親と妹と三人の暮らしは貧しいけれども機織り仕事をして家族を支えていました。

 

そんなお藤を村の若い男衆は嫁にもらいたいと思っていました。その中の一人に茂助という評判のよくない男がいて、お藤の父親に「お藤を嫁にくれ」と頼みますが、父親は「お前のようなものにはお藤はやれない」と断ります。

 

さてその頃、この地域では4月8日の水神様の祭りの日だけは、どれほど忙しくても仕事はしていけないというオキテがありました。ところが、お藤はあまりにも忙しく働いていたために、それを忘れて一生懸命に機織りをしていました。そして、その機織りの音を茂助に聞かれてしまいます。

 

嫁を断られたことに根に持っていた茂助は、お藤が働いていることを村中にふれまわって、お藤は村八分に合い、生き埋めにされてしまいます。

 

その後、村にはお藤の幽霊が現れるようになり、連日が雨が続いたり、お藤を生き埋めするのに手を貸した村人の中に病気になってしまうものもいました。

 

村中困ってしまい、お年寄りたちが集まって、お藤をかわいそうに想い丁寧に供養するために石碑を立てて、みんなでお参りするようになったら、お藤の霊は出てこなくなりました。その石碑はお藤地蔵と呼ばれるようになりました。

 

 

 

次回は、2月13日(木)の放送。

来月も是非お聴きくださいね。

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